• 新潟市江南区にあるお米と野菜の会社

    今年はひと足遅くネギの播種が始まりました。

    ネギの育苗ではすっかり定番になっているニッテンさんのチェーンポット。

    折りたたまれた紙を広げるとハニカム構造になっており、この中に土を詰め、種を撒いていくわけですが、チェーンポットたるゆえんは定植時になってさらなる真価を発揮します。

    それはまだ2か月先の話。

    今回は育苗の環境ついて。

    育苗に使う土は「育苗培土」と呼ばれます。

    ・栄養素の配合量

    ・比重

    ・EC(塩類濃度)

    などが配合されている培土中の原材料により調整されます。

    物理性の高い土や保水性に優れるバーミキュライト、根の張りやすい環境を整えるバーミキュライトなど。

    ただメーカーさんによっても様々な培土があるように、目的や環境に応じて使い分けなければいけないのが難しいところ。

    そして何よりいい苗とは何なのか。

    もちろん、欠株がないこと、徒長していないことなどは明らかですが、

    ・大苗と小苗では生育に違いはあるのか、

    ・葉色の濃い薄いは問題なのか。

    そんなことを考えながら育苗をしてきましたが、どうしても思うのは、

    育苗期間中に大切に育てすぎると、圃場でも手がかかるのではないか。

    かえってストレス気味に育てた方がタフな育ち方をするのではないかということです。

    ここでいうストレスは

    培土の乾燥や低温、低栄養のことです。

    微妙な線引きですが、密植による日照不足や、高温は植物にかけるストレスとしては適さないと考えます。

    植物の種は、外の環境を細かく察知し、柔軟に対応するエネルギーを持っています。

    自分の生育環境として最適かどうかを見極めて発芽しなれば、あっという間に死んでしまうからです。

    十分にやっていけそうな環境かどうかを判断し、その環境に適応した形で発芽、発根するということを考えたときに、

    人工的にハウス内で高栄養、高水分、適温を作り出せば、ハウス内での人工的な生育に適応した姿になってしまうということです。

    苗はいつか畑に植えるもの。

    一年間を通して、目まぐるしい気象の変化に耐えられるかどうかを考えれば、必要な資材、やるべき管理は決まってくると思います。